図6に示すように、「セロトニン」は「トリプトファン」から合成されます。トリプトファンは「必須アミノ酸」であり、体内では十分な量の合成ができないため、食事などから摂取する必要があります。 このトリプトファンが不足すると、うつ病の患者や、うつ病の傾向を持つ人の抑うつ気分を引き起こす可能性があることは古くから指摘されています。

また、うつ病の患者は、健常な人と比較して血中トリプトファン濃度が低下しているという報告もみられます。
では、トリプトファンを多く含んでいる食材、例えば動物性の肉類・魚介類や 大豆などの豆類を食べることで、抗うつ効果が期待できるのでしょうか。
実は、トリプトファンを抗うつ薬と併用して、その効果増強作用について比較した研究がいくつかありますが、有効性を見出した研究がある一方で、否定的な結果もみられ結論は出ていません。
図6のように、セロトニンが合成されるためにはビタミンB6が必要ですが、 ビタミンB6が過剰になるとトリプトファンが分解されてしまうことがわかっています。

反対に、ナイアシンアミドはトリプトファンの分解を抑制するため、こうした ことから栄養療法のパイオニアであるアメリカのジョナサン・ライト博士は、トリプトファンとビタミンB6、さらにはナイアシンアミドのバランスが重要であり、これを考慮しないとトリプトファンの有効性を過小評価してしまう可能性があることを指摘しています。
いずれにしても、材料としてのトリプトファンが少なければ、脳内で合成され るセロトニンは少なくなりますから、やはりトリプトファンの摂取は重要です。 セロトニンが少なくなるとイライラや怒りの感情が起きやすいので、トリプトファンを多く含んでいる動物性の肉類・魚介類や大豆などの豆類をバランスよく摂ることをおすすめします。
>生活リズムがセロトニンを増やす