イライラはさまざまな病気の原因になる

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イライラして交感神経が緊張すると、前述のアドレナリンやノルアドレナリンの作用により 心拍数は増加し、さらに筋肉や血管は収縮し血圧が上がります。
さらに手からの発汗を促し、ものが滑らないようにしたり、瞳孔は散大し遠くまで見渡せるようにするなど、いわば戦闘モードになります。また、このようなときに低血糖では体が思うように動きませんから、血糖を強力に上げる作用のある「コルチゾール」が分泌されます。 コルチゾールは炎症を抑制したり血液凝固を促進する働きを併せ持ちますが、 これはつまり、戦闘時に起こり得る炎症や出血に備えているわけです。

本来は短期的な対応であるべき、こうした交感神経の過緊張状態やコルチゾール過剰状態が長く続いてしまうと、さまざまな問題が起こってきます。 具体的には、図3に示すように、「動脈硬化」や「糖尿病」、「高血圧症」、「虚血性心疾患」、「脳血管疾患」などの発症に繋がってしまいます。

スペインのサン・カルロス大学病院のJose Egido博士らは、 「タイプA」と呼ばれる怒りっぽく攻撃的な性格の人は、健康な人と比べて脳卒中になるリスクが2倍以上高いことを明らかにしました。
この「タイプA」という性格による行動パターンの分類は、1950年代にフリードマン、ローゼンマンにより提唱された考え方で、このタイプの具体的な性格と行動パターンとして、

・攻撃的、警戒的である
・時間的な切迫感を持ち苛立ちやすい
・旺盛な競争心と強い目標達成衝動

などを挙げています。

 

ストレスとうつ病との関連性

さて、前述した「過剰なコルチゾール」が、うつ病の発症とも密接に関わっていることがわかってきました。
長い間、私たちの脳神経細胞は、成人に達するともはや減る一方であり、新生 しないと考えられてきました。しかし近年、記憶や空間認識などに関わる「海馬」においては、晩年まで盛んに神経新生が行われることが解明されました。 ところが、強いストレスが持続することに伴う過剰なコルチゾールが脳に作用し続けると、この海馬での神経新生が抑制されてしまうことが明らかにされたのです。
また、「BDNF (Brain-derived neurotrophic factor)」という神経栄養因子 がありますが、これは簡単にいうと、神経の成長を促すタンパク質です。
過剰な コルチゾールは、このBDNFを抑制してしまうこともわかっており、このよう な海馬での神経新生の抑制やBDNFの減少が、うつ病と密接に関わっていることが特に注目されています。

読者の皆さんには原始時代の例はおおげさに感じたかも知れませんが、実際に 私たちの祖先がこのような状況を生き抜いてきたからこそ、私たちは今ここに生存しているわけです。
もちろん現代ではサーベルタイガーと遭遇することはありませんが、闘争・逃 走反応は今なお私たちの心身に刻まれています。逆にこの時代ならではの脅威、すなわち職場での過重労働、対人関係からくるイライラや怒り、不満や焦燥感などの心理的・社会的ストレッサーにより、一連の闘争・逃走反応とそれに伴うさまざまな病気が引き起こされてしまうわけです。
 
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