
「GI値」は、「グリセミック・インデックス(Glycemic index)値」の略で、 食品ごとの血糖値の上昇度を、ブドウ糖を摂取したときの血糖上昇率を100として数値化したものです。
具体的には、GI値が高い食品を摂った後には血糖値が急に上昇する、逆にG ー値が低い食品を摂った後には血糖値がゆるやかに上昇する、という具合です。
ここで、GI値の高い食品を摂った際に心身にどのような変化が起こるかみていきましょう。先に述べたように、私たちには、生体を最適な状態に保つための仕組み(ホメオスタシス)が備わっています。
血糖値については、主に複数のホルモンによって一定の範囲に調整・維持されています。GI値が高い食品を摂った後は血糖値が急激に上昇しますが、それを下げるために膵臓から「インスリン」という血糖を下げるホルモンが多量に分泌 されることになります。
するとインスリンの働きで血糖が下がりますが、そこでほどよい血糖値に落ち 着けばよいものの、そうはいきません。多量に分泌されたインスリンが、血糖値 を下げすぎてしまうのです。そうなると今度は、血糖値を上げるためのさまざま な反応が起こります。
前述したような「ストレスホルモン」(コルチゾールやアドレナリンなど)には血糖値を上げる働きがあるため、私たちは自らの体を「ストレス状態」(交感神経緊張状態)にもっていくことで血糖値を保とうとします。低血糖のときに、イライラしたり動悸がしたり、さらには不自然な汗をかいたりするのはこのためです。
さらに低血糖のときには無性に甘いものが欲しくなりますが、このタイミングで甘いものを摂ってしまうと、先のストレスホルモンの分泌と相まって血糖値が 急に上がることになり、こうしたサイクルが繰り返されることになります。
このような血糖値の乱高下は、栄養学が進んでいるアメリカでは「シュガー・ ローラーコースター」などと呼ばれており、私たちの心身にとって大きなストレスとなることがわかっています。
近年、空前のスイーツブームともいわれますが、このような理由から甘いもの を摂るのはほどほどにして、なるべくGI値が低い食材を選び血糖値を安定させることがイライラ防止にも繋がります。 参考にGI値が高い食材・低い食材(穀物・パン類・麺類)の図9を挙げます。
| 低GI値食品 | 中・高GI値食品 |
|---|---|
| 玄米 | 食パン・フランスパン |
| ライ麦パン | 精白米 |
| オートミール | ビーフン |
| そば | 餅 |
| 麦 | うどん |
| 全粒粉パン | コーンフレーク |
| パスタ(全粒粉) | そうめん |
| 春雨 | インスタントラーメン |
白っぽくて精製されているものはGI値が高く、黒っぽくて未精製のものはGI値が低い、と大まかに覚えるとよいでしょう。同じお米であっても、白 米はGI値が高いのに対して、玄米は GI値が低いことは興味深い事実です。
最近、玄米の持つさまざまな効能が 注目されていますが、GI値が低いこともそのひとつといえます。また、基本的に野菜類はGI値が低いものが多いのですが、ジャガイモはGI値が高いので注意が必要です。ここで食べる順番についてお話ししましょう。
なるべく野菜など食物繊維を多く含む食材から食べ、それから肉や魚などのタンパク質、最後に穀物とすることで、GI値が高い穀物の吸収をゆるやかにすることができます。血糖値を急激に上げないためには、しっかり咀嚼しゆっくりと食べることも重要です。しっかり咀嚼をすることが自然にゆっくりと食事をすることに繋がりますので、短時間で食事を済ませる習慣がある方は、特に意識して咀嚼を心掛けてください。