
イライラしないためにストレスをどう管理するか、という視点で解説したいと思います。
一連のストレスに対して何らかの対処をしようとした場合、まっ先に思い浮かぶのは、いかに「ストレッサー」を減らすか、ということでしょう。
職場の例でいえば、仕事の量を減らしたり、配置換えするなどがそれに相当します。確かにこの方法は、場合によっては有効な手段になり得ます。
しかし、減らした仕事や配置換えをした後の環境が、その人にとって再びストレッサーになってしまうのであれば、これらを延々と繰り返すのは現実的ではありません。
続いて思いつくのは、「ストレスそのものを発散させる」という方法です。例えば、友人たちとお酒を飲んだり、カラオケにいって大きな声で歌う、などですが、一時的に効果があったとしても、その場しのぎになってしまう場合が多いものです。
そもそも、同じようなストレッサーがかかっているにも関わらず、それをまったく意に介さない人がいる一方で、うつ病になってしまう人もいるわけです。この違いはどこにあるのでしょうか。
アメリカの心理学者リチャード・S・ラザルス は、同じようなストレッサーを抱えていても、本人がそれをどう捉え、どのように評価し対処するかで、引き起こされるストレス反応が変わることに着目しました。
そしてその対処の仕方を「コーピング」と呼び、個人によって異なることを明らかにしました。このような個人による違いを、個人的要因としてストレッサーとストレスの間に追加したものが次の図です。

これはストレス研究の第一人者である熊野宏昭早大教授による模式図です。ちなみに、職業ストレスに特化したNIOSH(米国国立労働安全衛生研究所)の職業性ストレスモデルでは、ここにさらに「仕事以外の要因」「緩衝要因」を入れて考えます。
このように個人的要因については、体・心・習慣の3つの側面から考える必要があります。
すなわちストレスを管理するためには、個人的要因にかかわってくる体・心・習慣の3つを上手にコントロールすることが大切という訳です。
次回は「個人的要因」についてさらに掘り下げてみたいと思います。