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誤った認識がイライラを倍増させる

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自動思考とスキーマ

さて、次のような場面を思い浮かべてみてください。朝、会社の廊下で上司とすれ違ってあなたは挨拶をしましたが、上司は挨拶を返してくれませんでした。 あなたはこんなとき、どんな気分になるでしょうか。

①あの人はいつもこうだ。そもそも自分のことを過小評価している→イライラする
②昨日提出した書類に不備があったのかも知れない→不安になる
③自分の営業実績が悪いせいだ。自分は何てだめな人間なんだろう→落ち込む

矢印の下側がそのときに起こる気分(感情)ですが、こうしたそれぞれの感情が生じる前には、このように矢印の上側のような思考が介在しているのです。
ここでの思考は、論理的に考えたうえで導かれるような思考とは違い、なかば反射的・自動的に浮かび上がってくるような思考で、これを「自動思考」といいます。
こうした自動思考やそれに伴う感情によって、私たちは心身にさまざまな影響を受けます。
先の例では、いずれの場合も心身に何らかのマイナスの影響があるでしょう。 特に③のような認知のゆがみがある場合には、うつ病になってしまう可能性もあります。
 
一方で、もし同じような状況を経験したとしても、「きっと朝から何か考え事をしていたんだろう。だいぶ忙しそうだな。何か手伝ってあげよう」というよう な思考であったならば、ネガティブな感情が起こることは格段に少なくなるはずです。
このように、自動思考は人によってかなり違いがあり、その違いによって私たちに生じる感情もだいぶ異なるわけです。
 
しかしそもそも、自動思考の違いはどうして起こるのでしょうか。認知療法では、自動思考のさらに前に、その人の価値観や人生観、信念ともいえる「(セルフ) スキーマ」があるからだ、と考えます。 「もう一度先の例でみてみると、①の場合には「自分は評価されるべき人間だ」 というスキーマが、②の場合には「自分に自信がない」というスキーマが、③の場合には「自分は価値のない人間だ」というスキーマが、それぞれある可能性があります。
このように、「スキーマ」→「自動思考」→「感情」という流れにおける個人特有のパターンが「認知のゆがみ」です。物事のとらえ方がイライラする感情に大きく影響を与えるということです。
 

認知のゆがみが感情に大きな影響を及ぼす


 

認知行動療法は、アルバート・エリス博士が開発した「論理療法」と、アーロン・ベック博士が開発した「認知療法」に、さらに学習理論をベースにし行動の変容を促す「行動療法」が組み合わさって誕生した精神心理療法です。
現在、認知行動療法の枠組みはとても幅広く捉えられており、先に述べた漸進的筋弛緩法 (ゼンシンテキキンシカンホウ)自律訓練法などは、認知行動療法のバリエーションのひとつとも考えられています。
 
認知行動療法以前の精神療法といえば、ジグムント・フロイトに代表されるような「精神分析」が主流でしたが、この方法は患者の深層心理を探ることが治療の中心でした。治療では、幼少期の生育環境や心の傷・トラウマを明らかにすることが重視されます。 それに対して認知行動療法では、過去の問題よりも今現在のあり方に焦点を当てます。たとえどのような過去の問題があったとしても、現在の認知の仕方を変えることで、さまざまなつらい感情を変えられる、と考えるのです。

 
さて、同じようなストレスを受けながらも個々人で反応の違いが出てくるのは、 個人要因の差によることをすでに述べましたが、ストレッサーからの影響は、そのなかでも特に個人の「認知の仕方」によって大きく異なることがわかっています。
ここまですでに「認知」という言葉を使ってきましたが、そもそもこの認知とはどういう意味でしょうか。一言でいえば、認知とはその人の「ものごとの捉え方」です。
この「ものごとの捉え方」には、人それぞれ特有のパターンがあり、これを認知療法では、「認知のゆがみ」といいます。
この認知のゆがみが、イライラしたり、落ち込んだりといった私たちの感情に大きな影響を及ぼしているのです。
認知行動療法では、こうした認知のゆがみに気づき、それを修正したり、より柔軟な対応をすることで感情をコントロールすることができると考えます。
 
>思考と気分 (感情) を区別することでイライラが治まる
 

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