
「きちんとしなさい」ってどういうこと?
「行動や発言を具体的に叱る」と言いましたが、抽象的ではなく具体的に、とは、どういうことでしょうか。
「お友達にやさしくしないとダメじゃない!」
「よそのお家に行ったらきちんとしなさい!」
「ほらっ、ぼやぼやしな い の!」
これらは大人には簡単な指示かもしれませんが、まだできていない、子どもにとって、それは「何をどうすればいいのか」がわからないことがほとんど。 叱ったつもりでも、わかるように伝えていなければ、なかなか直せません。 そこで、これはダメ、あれはダメと言うよりも、「どうしたらいいのか」具体的な行動を示唆する言い方に変えてみましょう。 たとえば、先ほどの言い方。これらをどのように言い換えられるでしょう?
→OK「お友達が遊具を使いたがっていたら、交替で使うようにしてね」
「困っている子がいたら、大丈夫?って声をかけるのよ」
●NG「きちんとしなさい!」
→OK「お友達の家に行ったら、『お邪魔します』とご挨拶をして、靴は脱いだら揃
えるのよ」
「お菓子を出してもらったら、お礼を言うのよ」
●NG「ぼやぼやしない!」
→OK「歩くときは前を見て歩きなさい」
具体的に言われると、行動が取りやすくなるのがわかりますね。 言葉の言い換えは、思いのほか効果があります。 そしてここに、子どもを否定する意味合いはありません。
褒めるとき、お願いするときも具体的に
ちなみに、これは褒めるときにも使えます。 抽象的に「よくできたわね」「いい子ね」と言うより、具体的に「大きな声で発表できたね」「お掃除手伝ってくれて助かったわ」と言うほうが、「大きな声で発表する」 =「褒められるに値すること」、「お掃除を手伝う」 = 「お母さんに喜ばれて感謝され る」とインプットされるので、再現性が高まります。
具体的に伝えることは、子どもにリクエストするときにも有効です。 お母さんがどうしても疲れていてイライラしているとき、「うるさい! 静かにできないの!」「お母さんを困らせないで!」と言うより、「今すごく疲れているから、 10分だけ静かにしてくれる?」というように。
あるいは、子どもの「もっともっと」に答えられないとき、「5分は遊んであげられ るけど、お母さんはごはんの準備があるからそれ以上は無理だよ」と言うことで、具 体的に何がダメで、何が理由でどこまでいいのか、お母さんが求めているものは何なのかがわかりやすくなります。
そして、お母さんのそうしたコミュニケーションを学んで、子どもも不満があるとき、怒る代わりに「どうしてほしいのか」を言うようになるでしょう。