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「母親はこうあるべき」というコアビリーフを見直す

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園で、学校で、暗黙のうちにあるルール

SNSが普及している今の時代、面と向かっては言わないような厳しい酷評を目にすることが多くなってきました。
芸能人に対しても、次のような「母親失格節」が広まっていたのは記憶に新しいと思います。
 

●寒い夜に乳児を連れて外出していた
●子どもがまだ小さいのに、飲みに行っていた
●投稿した写真から子どもの食事の栄養バランスが悪い

 
そういった記事を目にするたび、自分は大丈夫?と思ってしまうお母さんも多いことでしょう。
どんな事情、どんな人生設計があっても、子どもを持ったとたん、ひとくくりに「お母さん」として扱われ、本人の意思に関係なく、ある一定の期待や責任・義務がついてきます。
 
育った国、宗教、あるいは家庭環境が違っても、同じ地域に住んで同じ時期に子どもを育てていたら、否応なしに、みんなママ友扱いです。
保育園・幼稚園に通えば、そこには暗黙のルールが待っています。たとえば参観日になかなか出席できない、手作りのお弁当を持たせられないとなれば、子どもに関心がない、子育てに対する責任感が薄いとみなされるなど、はみ出すと母親失格の烙印を押されてしまうような感覚......。
 
それぞれの事情には関係なく、そのコミュニティにおける大多数の暗黙の“常識” に反して、陰口を言われてしまえば「生きづらい」と感じてしまうものです。
 

まだまだ根強い「母親神話」

日本ではまだまだ根強い「母親神話」。子どもを持ったら、「365日1時間お母さんでいなければいけない」「母親だけが子育てをするもの」という社会通念も根深いものがあります。
1日中子どもとばかり向きあっていては煮詰まってしまうから、たまには子どもを預けてひとりになりたいと言えば、「それは甘えだ」と言われてしまう。
 
仕事と家庭の両立をはかれば、まだ子どもが小さいんだから預けるのはかわいそうと言われたり、両立がうまくいかず助けを求めれば、「そこまで覚悟して生んだんじゃないの?」と言われてしまう。
そしてひとたび「あのお母さんは常識がない!」とレッテルを貼られてしまえば、そのしわ寄せは自分ではなく子どもにいってしまいます。
お母さん方に「母親でいることがつらくなるのは、どんなときですか?」と聞くとこんな答えが返ってきます。
 

●育児、家事、仕事とやることがいっぱいで泣きたくなるとき
●誰も自分の味方をしてくれなくて孤独を感じるとき
●いい母親にならなければ、というプレッシャーを感じるとき

 
お母さん達は、追い詰められています。
「母は子どもに全力で尽くすもの」
「子どもの出来不出来は母親次第」
「子どもを生活の中心にすべき」
 
これらの考えを否定するつもりはありませんが、これだけが絶対とするのはどうなのでしょう。
お母さん方の知性も高く、知識量も多くなっているなか、人に言われなくても与えられた責任を立派に果たしたいという意識は強く働いています。こうした考えを押しつけ、お母さん達を無責任呼ばわりし追い詰める発言には疑問が残ります。
 

世間にばかりあわせれば子育てにしわ寄せが

「母はこうあるべき」といったものは、時代、地域によっても様々です。
わたしは7年海外で子育てをした経験があり、いろいろな国の人の多様な子育てに触れる機会がありました。その経験を通して思ったことは、一概には、どの国の子育て法が「万人にとって正解!」とは言えないものだということです。
 
親子の絆を大切にするアジア的文化もあれば、子どもの自立を重視する欧米文化もあります。アジアの人から見ると、そんなに早くから自立させるの?と思いがちですが、自立した親子関係に愛がないとは思えません。
母親についても、子どもを育てることは極めてプライベートなこととして扱われ、仕事を持っていることは当然、セレブでなければ働いていないのが不思議とされる国もあれば、逆に専業主婦も社会からは立派に尊敬される存在として認められている国もあります。社会の基準というのは本当に様々。
 
自分では限界ギリギリまで頑張って家事育児をしていても、「専業主婦は気楽だね」と言われてしまったり、逆に仕事と家庭の両方を切り盛りしているのに「子育てをおろそかにしている」と中傷されたり......。
人のことを言うのは簡単ですが、自分なりに精一杯やっていることを非難されるのは本当につらいものです。
自分の常識を振りかざして、違う考え方の人を排除・断罪したい人というのはどこにでもいるもの。
かといって、園ママや祖父母、かかわるコミュニティ全員の「普通」にあわせるのは無理があります。「普通」と言われていることでも、自分のライフスタイルでは相容れないものもあります。
 
そこにはストレスが生まれますし、ときには反発してしまうこともあるでしょう。 でも、こちらの主張を押し通しても、摩擦は大きくなるばかりです。そこに一定の距離を置き、うまくつきあっていくスキルが必要になってきます。
 

「コアビリーフ」を見つめ直す


 
アンガーマネジメントでは、このような価値観、さらには自分の信念のことを「コアビリーフ」と呼びます。 「コアビリーフ」は、本人にとってはごくごく当然で、生まれ育ってきたなかで自然と身に付けた常識にも近いものです。
そのため、他人も同じように考えていると思いがちなのですが、とくに価値観が多様化している今の時代には、コアビリーフは人によって実に様々です。
自分のコアビリーフが唯一絶対であると信じていると、それだけ他の人にイライラを覚えることが多くなります。
 
アンガーマネジメントでは、ストレスと向きあうとき、相手の考えを理解するために、自分にとって絶対と思える「コアビリーフ」をゆるく見直すということをします。
それは、自分の信じるものだけが「絶対」と思っていると、自分が正しくて相手が間違っていると決めつけてしまい、相手に対するイライラが芽生えてしまうことがあるからです。
 
見直すときは、自分のコアビリーフが自分にとって大切なものであると同じように、 他人のコアビリーフもその人にとって大切なものなんだと理解して、尊重するということを行います。自分を認めるためには、人との違いを認めることが大切なのです。
自分のコアビリーフを否定することなく、また他人のコアビリーフに迎合しなければいけないと思うこともなく、それぞれのコアビリーフを「個性」としてとらえたほうが衝突は少なくなります。
 

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