
「また脱ぎっぱなし?」「この前だって」
叱るときにまず大切なことは、言うことを1つに絞ること。これが一番効果大です。 たくさん言えばたくさん伝わると思うのは間違い。 あれもこれも言えば、子どもは何を言われたのかよくわからなくなるもの。 たくさんのことを同時に言うことは、混乱させる以外の何ものでもありません。 叱りたい ことがあったら、できるだけその場で、そして目の前のこと1つについて叱りましょう。
「どうして脱いだ靴下を洗濯カゴに入れないの? 脱いだら、すぐ入れなさいっていつも言ってるでしょう」 「この前も出すのが遅いから、いつまでも洗濯始められなくて困ったのよ」「あのときだって、脱ぎっぱなしのままで、片方『無い無い!』って散々大騒ぎした結果、新しいのを買いにいくハ メになったでしょ」......
文章にすると、いかに話があちこちに飛んでいるかがわかるでしょう。
そしてそれを聞いた子どもの頭が、「この前」「あのとき」を思い出そうとして、いっぱいいっぱいになる様子が目に浮かぶことでしょう。
大人からすると、「脱いだ靴下を洗濯カゴに入れないと、いかに困るか」を伝えたくて、「この前も」と言っているのですが、子どもにとっては、同時に注意されても、まったくリンクしません。 「今日は怠けたんだけど、この前はお母さんが早くって急かすから、早くに気を取られて、1足入れるのを忘れちゃったんだよ」など、経緯も理由も感じたことも違っていたりするのです。
どれだけやってほしいかをアピールして、つい多くのことを言ってしまいがちですが、「脱いだ靴下は洗濯カゴに入れて」だけをそのまま伝えたほうがわかりやすいです。「この前も」「あのときも」と言うのはやめましょう。
「靴下は洗濯カゴに入れて」とビシッとひと言
さらに言えば、ある程度以上の年齢にもなれば、「そんなこと言うなら、お母さんだって、ちゃんと洗濯出しても、靴下片方なくしちゃうことあるじゃない」と反撃したい気持ちにかられます。
「口答えしないの!お母さんの揚げ足とってないで、まず自分のことを自分でできるようにしてちょうだい。もうじき小学校にあがるんでしょ? そのままじゃ......」
こんなやり取りを繰り返してしまうと、「もう! 今言いたかったことは、いったいなんだったっけ?」となってしまうことも......。 ただの言い争いになって、時間と労力をロスしてしまいかねません。
夫婦間でも同じこと。家族には、気持ちを吐き出しやすいので、つい口をついて出てきてしまいますが、粗探しみたいになってしまいます。
あれこれ言うことがいかに逆効果か。 「10言えば8くらいわかるだろう」ではなく、「1言って1をキッチリ伝える」ほうが意味のある叱り方になります。